2012年7月22日日曜日

産經新聞社説「産経抄」

社説には原則筆者名は表示されない。
それは、内閣や県庁、市役所の広報と同様に、元は一人の個人が書いた原稿であっても、何人もが加筆・修正・校正して印刷・発表されるものだから、元執筆者の取材内容や意見とは異なったものに作り上げられてしまうからに他ならない。

だからこそ、新聞社の方針や良心に忠実な社説にはそれなりの重さがある。
認識不足や誤りが露見すれば、一社の恥にもなる。
ましてPR広告並みに、ただ騒ぎ立てて世間の話題になりさえすれば購読部数や閲覧件数が増え、広告費が集め易くなると云った浅薄な胸算用などするはずが無いと信じたい。

元執筆者がどなたか知らないが、可哀想な社説をネットで読んだので、後学のために保存しておくことにした。努々忘れてはならない。命あっての電気なのである。


下記は、削除されるかもしれないので、記録のため無断転載しました。
http://sankei.jp.msn.com/life/news/120721/trd12072103130001-n1.htm
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7月21日
2012.7.21 03:13 [産経抄]

いまどきのおしゃれな文化人になるためにはどうすればいいのだろうか。若いときに電気をふんだんに使ったコンサートをやって人気者になり、ニューヨークの高級マンションに住む。もちろん税金は大好きな米国に払って日本には払わない。

▼菜食主義を一度は試し、電気自動車のコマーシャルに出る。還暦を過ぎれば流行の「反原発デモ」の先頭に立って、アジ演説をぶって拍手喝采される。目立ちたいのは文化人の業だが、もう少し本業に専念しては、と望むのは古くからのファンのないものねだりだ。

▼いままで書いてきたのは架空の人物の話。ただ、ミュージシャンの坂本龍一さん(60)が、16日に17万人集まったと称する(実際は7万5千人程度だったが)反原発集会での演説は、おしゃれな文化人そのものだった。

▼彼は、「たかが電気のために、この美しい日本の未来である子供の命を危険にさらすべきではない」とのたまった。確かに、たかが電気である。命には代えられない、と思わずうなずきたくなる甘いささやきではあるが、「たかが電気」がどれだけ多くの命を救ってきたことか。

▼東日本大震災でも17年前の阪神大震災でも真っ暗だった被災地に明かりが蘇(よみがえ)ったとき、どれだけの人々が感涙にむせんだことか。大震災直後の昨年春、たかが数時間の計画停電で、病院に影響が及び、どれだけの病人が困ったかを坂本教授は知らないのだろう。

▼昨日の首相官邸周辺でのデモには鳩山由紀夫元首相も参加した。原発への恐怖心を利用して騒ぎを大きくしようと画策する左翼団体や金持ち文化人、それに選挙目当ての政治屋どもに踊らされていることに参加者はそろそろ気付かれた方がいい。

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以上